ハイスコアガール:最初のノスタルジー

・ピコピコな新作!
押切蓮介の新作。「ピコピコ少年」以降こっち系専門になった感がある。もちろん「80'sナムコ」「スぺランカー」にも寄稿してるし。

「ポリゴン」って何?食えんの?そんな2D全盛期だった古き良き格ゲーブーム到来の1991年。ヤンキーとオタクとリーマンが蔓延る場末のゲーセンに、彼女は凛と座していた−。(表紙引用)

ってことで、91年、小学6年生のゲームライフ。

・同世代なんだけど・・・
この設定自分とまったくの同世代!で、すごーく期待して読んでみたんだけど・・・、あれ?なんかあんまりフックがかかんなくて、あっさり読み終わっちゃったぞ!
もちろんあの時代をフラッシュバックさせるナイスなエピソードの数々「スクリューパイルドライバー」、「駄菓子屋のライトアップ筺体(ボロボロ)」、「PCエンジンの衝撃(グラフィックが良すぎて驚いた)」は楽しいんだけど。当時、初代ストリートファイターで体重軽すぎ&非力すぎて「強パンチ&キック」が出せなかったのを20年越しに思い出した(圧力センサー反応せず・・・)。

ただ・・・、登場人物の設定とストーリーが本当に取ってつけたように見えちゃうんだよねえ、どうしても。これのメインはエピソードとシチュエーション、あとディテールの細かさ、と思うからこれでもいいのかなあ?

・好評の理由
一通りAmazonレビューとか色んなブログを読んでみたけれども、みんな好意的なんだよな、絶賛多数。で、なんだか不安になっちゃったから、この「温度差」はなんでかなー?と考えてみた。

このマンガにほんとにやられちゃう世代ってのは主人公の10歳下、つまり80年代後半生まれなんじゃないかな?
例えば我々の世代が物心がつきはじめる時期は80年代初頭で、この頃のカルチャー、ゲームに限らずおもちゃ、テレビ番組、マンガとか音楽、映画etcなんでも「原風景」。だから時代設定がアーリー80'sものってぐっとくる。「目に映るすべてのものがメッセージ」じゃないけれども。
ということで91年が「原風景」になる世代、80年代後半生まれにとっての最初のノスタルジーな物語、それが「ハイスコアガール」であると。

あーだこーだ言ったけど、もちろん続きも買いますぞ。次は中2、93年の話だって。