ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ:一方そのころ敵は

ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ (自腹文庫)

ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ (自腹文庫)

エッセイストブルボン小林さんの本書。ラジオ、雑誌CONTINUE、webサイト、メルマガ等をまとめられています。個人的にゲーム本としてはトップクラスの面白さです。誰かに「なんかゲームの貸して?」って言われたら間違いなくこれを貸すつもりです。(言われたことないけど)。

ぱっと見岩波文庫、けどよく見ると・・・あれあれ??、な装丁。TOKYOMX「5時に夢中!」内コーナー「装丁ジャンケン」に取り上げられそう。それからタイトル。フランスでは放送禁止なあの曲へのオマージュになっとります。

以下「ぐっときた」エッセイです。

・「かってゲームは観光だった」
シューティングゲームに熱中していたのは、先(の風景)が見たかったから。ゲームの目的は結末ではなく道中を楽しむこと。

・・・、おっしゃるとおり。最後にやったのは確かPSの「レイストーム」だったかな?弾よけるのに一生懸命で背景の記憶ありません。
でも最近はスペックがあがってまた色々な場所の「観光」することができるようになりました。「デッドライジング」で巨大カジノ+ショッピングモールを、「レッドファクション」でテラフォーム後の火星を、「ダンテズインフェルノ」では地獄(!)の観光を思う存分楽しむことができます。

・「大人になって分かること」
80年代回顧本のアンケート結果のうち「いまいちだったゲームワースト5」に「たけしの挑戦状」、「バンゲリングベイ」、「スぺランカー」がランクインすることへの違和感。「スぺランカー」がちょっとした段差で死ぬことと、「スーパーマリオ」がどんなに高い所から落ちても死なないこと。居酒屋でレトロネタにするだけでは、記憶の再検証をするべきだ。

これはかなり真面目な話。確かにバンゲリングベイは中古屋のチラシの必ず左上(280円)だったし、たけしの挑戦状は毎回ハワイ着陸寸前に爆死→葬式でしたが。でもバンゲリングベイは後の不朽の名作シムシティ」のきっかけだし、たけし〜だってリメイクの話があったらしいし(今作ると「龍が如く」チック?)

・「一方そのころ敵は」
ゲームの映画的演出。カラテカ

うう、このタイトルでカラテカがフラッシュバックしちゃいました。もう25年経ってるのに・・・。タイトル秀逸。