田尻 智 ポケモンを創った男:ゲーム男の星座
- 作者: 宮昌太朗,田尻智
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2004/03/06
- メディア: 単行本
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「パックランドでつかまえて」再刊(2002)後に雑誌コンティニューでのインタビュー+ポケモンキャラクターデザイン杉森健氏との対談。なので、インタビューは「パックランド〜」に準じていて、少年時代⇒ミニコミ⇒ライター⇒ゲーム開発(クインティ)⇒ポケモンの流れで進んでいく。コンティニューっていう雑誌の性格的に「サブカル」としての1ジャンルとしての「ゲーム」論、というか田尻氏自身が元々ライターだから、意識的ではあるんだろうけど。まあ「ポケモン」の作者からジョンウォーターズ、青山正明(危ない1号!)、パゾリーニ、名前が挙がるなんて!
この人の経歴をがそのまま日本のゲーム黎明期の歴史になっちゃうようなもんだから、インタビュー中に重要な人物の名前がバンバン出てくる。ざっと見てみると、
ミニコミ時代 杉森健、ミスティックス(ゲーム基板から解析を行っていたチーム、ゲーム開発の基礎になる)
ライター時代 桝山寛(メディアプロデューサー)、野々村文宏(ライター、雷門ビデ坊)、遠藤雅伸
ゲーム開発時代 二木康夫(ライター、TACOX)、石原恒和(株式会社ポケモン代表)、佐藤大(ライター)、糸井重里、中村光一、宮本茂、横井軍平・・・、
んでもって、これらの人たちとの関わりかたがうまいよな。人を巻き込む力っつーの?当然田尻氏のゲームへの熱い想いが前提としてあるんだけども、これを形にするときに人の力を利用していく。これって仕事術としてそのまま他ジャンルにも応用できるんじゃないかな?もちろんゲーム業界自体が未開地状態で、行動に制限がなくて自由に決めていけたっていうのはあったと思うけれども。
2009年に文庫化されて、羽海野チカさんとの対談+寄稿イラスト、ブルボン小林氏の解説が新たに収録された(らしい、未読)からお得なのかもしれないけど、単行本の装丁も好きなんだよなー。絵の中に吸い込まれるって言ったらおおげさか。あと各種資料(ゲームフリーク創刊号全ページ!、クインティ、ポケモン初期設定)をじっくり(大きく)読みたい場合は単行本だろうね。あたしゃ、そのうち文庫も手に入れるけどな・・・。